2021年3月30日火曜日

『岩室のかえるたち』


かつての教育現場に溢れていた熱量を感じられる冊子を見つけたので紹介します。1974年に岩室小学校が発行した『岩室のかえるたち』という冊子です。


その当時、岩室小の教員だった桑原孝さんが生徒らといっしょに岩室の野山を駆け回り、かえるを観察した記録集です。かえるの生態や観察の基本事項、ハコネサンショウウオ、タゴガエル、ヤマアカガエル、モリアオガエルなどの観察ポイントなどを紹介しています。最後に20年前頃(1954年)からいなくなったカジカガエル、10年前頃(1964年)からいなくなったイモリの紹介もあります。また、当時の校長、亀山末松さんの巻頭言も均質化された言葉ではない、響くものがありとても良かったです。



他、西蒲地区理科教育センターが発行していた西蒲原の自然ガイドブックも素晴らしい冊子でした。



今年度から児童・生徒ひとり1台のタブレット端末を使用した授業がはじまりましたが、郷土の野山を駆け回り、自然相手に粘り強い観察と気づきを体験させるようなこうしたかつての取り組みからもまだまだ学ぶべき点は多いように感じました。