2019年10月31日木曜日

「鄙潟樂Hina Gata Gaku くらしのヒナガタ農学校」打ち合わせへ

実行委員の豊島淳子さん(左)、鈴木誉也さん(右)
豊島さんが経営する「リトルライトシアター」物販コーナー

10月30日、「鄙潟樂Hina Gata Gaku くらしのヒナガタ農学校」というイベントの打ち合わせに行ってきました。自然栽培新潟研究会が主催するイベントで、ファーマーズマーケット、ワークショップ、講演会が行われるそうです。

日時は2020年2月22〜23日、新潟市アグリパーク。県内外から自然栽培を実践する農家や飲食業、流通業、アウトドアメーカーの方々を招いて、イベントが開催されます。

わたしは「地方と編集」という講演会のゲスト・丹治史彦さんの聞き手を務めます。丹治さんは、東京在住の編集者で、滋賀県近江八幡の菓子店「たねや」が発行する『ラコリーナ』の編集を手がけています。

丹治さんがどのようなことを大切にして地域に入り込んで、その魅力をどのように編集し、読者に伝えているのか、伺ってみようと思います。

また詳細など出ましたらこちらでも紹介します。

同研究会が主催する「オーガニックマーケットおひさま日曜市」は下記リンク先から様子を知ることができます。

https://ohinichi.com

2019年10月30日水曜日

人口減少対策について意見交換

西蒲区の将来推計人口

10月29日、県議会議員の重川さんのお声がけで、西蒲区市議4名と西蒲区役所を訪ねてきました。県立青少年研修センター跡地について、人口減少対策についてなど、意見交換を行ってきました。

西蒲区の人口減少率、高齢化率は新潟市8区のうちトップです。

西蒲区健康福祉課の統計(上の画像)によれば、西蒲区の人口は2015年に約58,000人だったのが、30年後の2045年には約39,000人まで減少する推計となっています。その時の高齢化率は47.5%。15〜64歳の生産年齢人口は約34,000人だったのが約17,000人へと半減します。

猛烈な〈勢い〉で超高齢化と人口減少が進んでいることがわかります。

すこし遡ってみると、1603年、江戸幕府成立時は約1,200万人。1868年、明治維新の頃の日本の人口は約3,300万人。1945年、敗戦直後は約7,200万人でした。その後も戦後一貫して日本の人口は急激に伸びてきました。それが2008年の約1億2,800万人をピークに、2011年からは明らかな人口減少局面に入りました。

この少子高齢化による人口減少は突然にはじまったものではなく、産業構造や家族構成などさまざまな要因から30年、40年かけて社会が用意したものではないでしょうか。多角的な施策によって減少を遅らせることはもちろん重要だと思いますが、一方でこの〈勢い〉を止めるのは容易ではない、とも思います。

時代の潮目に立ち会っているわたしたちに問われているのは、これから起こる変化と混乱をどう軟着陸させるか、次にどんな社会を用意するのか、のように感じます。

その日、わたしが意見できたことは以下のふたつです。

行政の文章でよく「安心して暮らせる社会へ」という言葉を見ますが、わたしはそれを言い換えて「安心して死に向き合える社会へ」と言ってみたいです。

それは、適切な医療・介護のサービスを受けられること、行政の福祉制度がきちんと周知・利用されていること、という身体的な側面。本市独自の取り組みである「地域の茶の間」事業をはじめ地域コミュニティが保たれ、地域包括ケアシステムがしっかりと機能している西蒲区、また新潟市であってほしいと思います。

それから精神的な側面になりますが、各集落ごとに点在するお寺、住職への期待です。葬式や法事だけでなく、お寺が地域住民に開かれた場所になって、そこで〈死〉について考える機会があるといいなと思います。宗教の役割の大きなもののひとつは、死についてどう向き合うか、それをいっしょに考えてくれる、よすがとなることだと思います。

医療・介護といったケアの身体的側面からの安心、そして伝統的な宗教による精神的側面からの安心があるといいなと思います。

もうひとつは教育です。

小学校、中学校、そして高校などで西蒲区ならではの歴史、文化、自然、産業について学ぶ時間を増やすこと、充実させることを求めたいです。それは西蒲区で生まれ育った子どもたちがなんらかのかたちで地域の特性を知り、郷土への愛着を持ってもらうことで、将来、この街で働いてみたい、戻ってきたいと思ってもらう、クサビを打ち込みたいからです。

じぶんの好奇心の方が大きかったですが、Life-mag.の仕事もごくごく微力ですがそういった仕事に近かったかもしれません。

いまから26年後の2045年、わたしは62歳になっています。その時にどんな立場になっているかはわかりませんが、引き続き、地域をよく歩きながら、西蒲区、そして新潟市のよりよい未来をつくっていけるよう活動を重ねていきたいです。

300人以上の集落分布図

西蒲区の人口分布を把握する参考に。

2019年10月27日日曜日

越前浜発祥の地「宮之平」へ

宮之平へ

先日、西蒲区越前浜発祥の地を訪ねてきました。角田山山中にそれはあります。

時は戦国時代に遡ります。1573年、越前の国(現在の福井県)を治めていた朝倉義景は織田信長との戦に敗れます。その後、生活に困窮した朝倉の家臣らは各地に散らばりました。

1578年頃、小橋屋村(現在の福井市両橋屋町)の住民の一部は三隻の舟に乗って当地を逃れました。一隻は途中で沈没。もう一隻は佐渡へ漂着。最後の一隻がたどり着いたのが越後の国・角田岬だったと伝わります。この地に降り立った理由は、鶏の鳴き声を聞き、人家のあることを知ったことにあります。

はじめは海岸近くを生活拠点にしたものの、その後、角田山山中標高100㍍ほどの平坦な場所に移りました。その場所が「宮之平」と呼ばれています。

越前から移り住んだ人びとは鶏に命を救われたことから、鶏を祭神とする「鶏之子神社」を建立し、祭るようになりました。親しみをこめて「鳥の子さま」とも呼ばれます。

その後、鶏への信仰心から、昭和20年頃まで鶏肉や卵を食べなかったそうです。かつて当地に多くいた「毒消売り」の女性も、出稼ぎ先で鶏肉や卵を食べなければいけない機会があると、郷里の家族に手紙を書き、鳥の子さまに許しをいただいたとも伝わり、その信仰心の篤さがわかります。

社殿はすでに現在の越前浜集落内に遷宮、移築されています。1921(大正11)年には天照大神が祭神となり、神社庁の登録となりました。

以下に写真で道中を紹介します。

角田地区コミュニティセンターから歩いて
直売所・かくだ村の裏から山中を20分ほど登ります
社殿が見えてきました
みんなで参拝

その後は妙光寺、岩屋を巡って解散となりました。

角田山・妙光寺にある岩の題目
岩屋

角田コミセンで解散したあと、ひとりで現在の鶏之子神社に参拝してきました。

参道
狛犬が鶏でした

補足でもうひとつ。越前から最初に逃れてきた人びとは七人衆(または八人衆)とも呼ばれ、金子、小川、早見、篠沢、鈴木、斎藤、鵜(浅井の臣)などの家だと伝わります。

以上、長倉勲『越前浜発祥の概要』(角田地区コミュニティ協議会)を参考にして紹介させていただきました。

越前浜は現在279世帯・約700人が暮らしています。移住促進の取り組みを先駆的に続けてきた地域でもあります。また、越前浜では越前・越後の市民交流活動も行っているとのこと。

歩けば歩くほど、地域に眠る意外な歴史の巡り合わせを知ります。

今回はまちづくり学校の主催事業「ブラニイガタ」の番外編に同行させてもらいました。お声がけいただいた和田一良さん、資料をいただいた山下利論己さん、ありがとうございました。

2019年10月26日土曜日

岩室中学校文化祭へ

きょうは新潟市立岩室中学校の文化祭でした。「ぜひ生徒の様子を見にお越しください」との案内が届いたので出かけてきました。

絵や工作の他、生徒がそれぞれの進路を考えて大学や専門学校へ見学に行き、レポートを書いたものも展示されていました。ある生徒は、保育や介護、看護の仕事はAIに代替することは難しいと思う、人を〈ケア〉する仕事はやはり人ではないか、そんな仕事に就きたい、と書いていました。ほかのレポートもいくつか読みましたが、その真っ直ぐな思いに元気をもらいました。

わたしが中学生の頃は学生や先生によるステージ発表の時間があり、バンドやダンスなどが披露されました。中学にあがった最初の文化祭で、3年生がブルーハーツやユニコーンの曲をバンドで演奏しているのに感化されて、じぶんもバンドをやったのを懐かしく思い出しました。

ありがとうございました。

展示の様子1
岩室中学玄関
展示の様子2
合唱コンクールも同日開催。練習の様子
生徒と地域の人らでつくった折り紙による羽子板

第39回中之口地区総合文化祭

会場の様子

第39回中之口地区総合文化祭が10月26〜27日まで開催されています。本日、オープニングに出席してきました。会場は中之口地区公民館と中之口先人館です。

中之口地区の陶芸、写真、書道、華道、手芸などの活動をする方々の作品が展示されています。中之口地区はおおぜいの方が文化・芸術に親しんでいることに驚きました。多くの方にとって心を耕し、生活に張り合いを生む活動になっていると感じました。

以下に写真をアップします。

関係者のみなさま、ありがとうございました。

古布を利用した手芸
花道研究会の作品
盆栽も
第一会場 中之口地区公民館
第二会場 中之口先人館
地図

こちらは先人館で販売していた地図です。いまは使われなくなった「小字」を記した中之口の地図です。 狐塚、稗場、念仏塚、砂堀、眼坊など興味深い小字をみることができます。

平成18年3月に当時の中之口村役場が企画したもののようですが、 担当者の思いに敬意と共感をいただきました。こういう紙物はツボです。

地名はその土地の歴史・風土を端的に記憶し、伝えるものです。自由主義とグローバル化がますます進む現代にあって、地域特有の〈自然〉と〈時間〉と〈土地〉はわたしたちが寄って立つべき場所を教えてくれると思っています。

地図は100円。近くに行く機会がありましたらぜひ。

2019年10月25日金曜日

多加良神社例祭へ

多加良神社

10月13日9:00〜、西蒲区巻地区の多加良神社例祭に参列してきました。台風19号の影響が心配されましたが、例祭は執り行われました。日中に予定されていた「多加良まつり」は中止となりました。

例祭は巻商工会と越後中央農業協同組合の主催です。

多加良神社は、戦後復興のため商工会と農協、巻町、神社とで恵比寿様と大黒様をお祀りしたのがはじまりです。昭和29年に上棟祭、翌昭和30年に神社庁の許可を得て建立されました。建立から64年がたったいまも、巻地区をはじめ西蒲原の商工業、農業の発展を願い、地域の方々から信仰をあつめています。

巻神社

この日は巻神社拝殿において遥拝というかたちで執り行われました。

第37回角田山旗争奪剣道大会へ

大会の様子

9月23日、第37回角田山旗争奪剣道大会に来賓として参加してきました。会場は西蒲区中之口体育館。

141チーム、663名の選手が参加しました。保護者や関係者を含めると1000人前後の人が体育館に集まりました。ここまで集まると迫力がありました。

小学3・4年の部に出場した「西蒲剣道連盟A」チームが準優勝に輝きました。

武道は身体を鍛えるだけでなく、気持ちを整え、強くしてくれるのではないでしょうか。選手の子どもたちの動きを見ていてそう思いました。

大会関係者に「攻撃のタイミングはどうやって図っているんですか、呼吸ですか?」と聞くと、「面を被っていてもあの距離だと目の動きも見えるんです。竹刀の角度、足の出し方、身体の一瞬の動き、いろんなものを判断しています。初心者だとじぶんが狙っている部位に目線がいきがちですね」とのこと。

廊下や横断歩道など人とすれ違う時に、たまに同じ方向に避けてしまう事はないでしょうか。剣道をやっていると、一瞬の歩き方で対向者がどちらに進もうとしているか、その判断の精度があがりそう...。

関係者のみなさまお疲れさまでした。ありがとうございました。

中之口体育館
刈り取り後の西蒲区の田んぼ

G20新潟農業大臣宣言

記録集

2019年5月11〜12日、新潟市において「G20新潟農業大臣会合」が開催されました。9月議会中、議員に約230ページの記録集が配られました。上の写真のものです。

各国大臣はどのような合意にいたったのか、世界農業はどのような方向性を持っているのか、大臣宣言の部分のみ農水省のウェブサイトから転載し、勉強のためブログに記録しておきます。

「2019年 G20新潟農業大臣宣言 概要」

世界の農地の約60%、農産物貿易の約80%を占めるG20農業大臣として、増加する世界人口を養うために、資源の持続可能性を確保しつつ、生産性を上げていくことを目指す。

1.農業・食品分野の持続可能性に向けたイノベーションの必要性

・非農業分野で使われているものを含め、技術が現場で円滑かつタイムリーに活用されることが重要。
・ 研究開発への農家の積極的な参加推進、農家がICT等を活用する際に必要なスキ ル習得環境を整備。
・女性、若者を含む全ての者が農業データにアクセスできる基盤の整備等に向けて各国が努力。

2.農業・食品分野の包摂的かつ持続可能な成長に向けた農業・食品バリューチェーンへの着目の必要性

・G20 が FVCs全体に渡る食料の損失・廃棄の削減に主導的役割を担うべく努力。 FVCsを通じた農村開発に向けても各国が努力。
・FVCs の効果的な運用においては、開かれた、予見可能かつ透明性のある貿易が不可欠。農業貿易ルールの改善に向けた国際的な努力の継続を歓迎するとともに、国際ルールの遵守を各国に呼びかけ。
・FVCs の発展のため、災害や異常気象へのリスク管理措置強化が重要。

3. 世界的課題に対応するための協力及び知識の交換の必要性

・国連の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、特に飢餓の終結や食料安全保障、栄養改善の達成、持続可能な農業の推進に取り組む。気候変動の緩和と適応につ いて、農業の役割を最大化するよう努力する。
・越境性動物疾病に関する情報共有の強化や国際機関の取組への支援が重要。また、国連総会における2020国際植物防疫年の決議の採択を歓迎し、植物の健康に対する意識向上を目指す。
・フードチェーン全体に渡るアプローチを通じて薬剤耐性(AMR)に対処すること が重要。

4.世界的なアウトリーチ活動とストックテイクの必要性

・農業・食品分野の課題への対応にあたり、各国の優良事例を交換し、成果や知識を蓄積していくことが重要。
・過去に立ち上げられたイニシアティブの継続的な活動のため、積極的な支援を継続。


概要版は以上です。以下が宣言の仮訳です。


「2019年 G20新潟農業大臣宣言(仮訳)」

序文

(1)農業は、古の石器時代から現代の科学の時代にいたるまで、文明とともに発展 してきた。今や我々は、我々の食料システムにとって、新たな課題と可能性の 時代に突入している。増加する世界の人口に対し、食料安全保障を達成し栄養を改善するため、生産性の向上と、食料の損失・廃棄の削減を含む流通の効率 化が必要である。これは、持続可能な天然資源の管理と一層両立し、かつ、持続 可能な開発のための 2030 アジェンダにも示されている「誰一人取り残さない」 精神に合致するかたちで達成されるべきである。デジタル化及びイノベーショ ンは、農業・食品バリューチェーンの様々な段階において新しい機会を切り開 き、上述した課題の多くの解決に貢献するであろう。しかしながら、これらの 機会を活用するためには、農業・食品分野は、物的及び人的資本に対する新た な投資を引きつける必要がある。

(2)世界の農地の約 60%及び世界の農産物貿易額の約 80%を占める、我々G20の農業大臣は、農業・食品分野の持続性を強化する我々の役割及び責任を強調す る。我々は、本日の新潟での議論において、これまでの大臣会合の成果に立脚しつつ、現在の、そして新たに生じつつある課題の解決策を提供し、包摂的成長と持続可能な発展の達成に向けて農業・食品分野のあらゆる潜在能力を現実 のものとするため、我々の経験と知識を最大限活用することの重要性を確信し た。

1. 農業・食品分野の持続可能性に向けたイノベーションの必要性

(3)我々は、農業・食品分野の持続的な生産性向上にとって、イノベーションと知 識が極めて重要であることを再確認する。我々は、革新的な解決策の創出に向 け、農業界を含む官民の取組が行われていることを認識する。同時に、農業・食 品分野における生産性と持続可能性の向上に向けた潜在能力を最大化するため には、これらの解決策が、生産者及び関係者によって、農業・食品以外の分野と の協力も含め、円滑かつタイムリーに導入されることが重要であることを再確認する。

(4)我々は、新潟での議論において、特に幅広い問題に解決策を与えることができ る情報通信技術(ICT)、人工知能(AI)、ロボット工学といった先端技術の活 用及びアクセスを通じて農業のイノベーションを奨励することの重要性を強調 する。我々は、農業が、すでに他部門において利用されているものも含め、これ らの技術から得られる可能性は極めて大きいことに留意する。データプライバ シーのために適用可能な法的枠組みを尊重しつつ、ICT やデジタル技術の持つ 潜在能力を広げるため、我々は適切なデジタルインフラ、そして、全ての者が 生産及び市場を含むデータへアクセス及び利用するための基盤を整備すること の必要性を強調する。これに関し、我々は国際的な協力の促進に向け努力する。 我々は、2019 年1月の食料・農業グローバルフォーラム(GFFA)において、 全ての G20 メンバーが参加しているわけではないものの、デジタル技術の利用に関する将来の方向性、可能性及び課題、そして更なる協力に向けた国際的なフォーラムを設置する意図が議論されたことに留意する。加えて、G20 により 立ち上げられた、農業の生産性及び持続可能性向上のための分析枠組みから得 られた教訓にも留意する。

(5)近年の技術の進歩や組織上及び財政上を含むその他の形態のイノベーションに より、農業者が新たな技術及びイノベーションを導入し、責任を持って利用で きるようにするためには、より幅広い知識と技能を身につける必要が生じてい ることを我々は認識する。我々は、新規就農者及び小規模農家を含む全ての農 業者が、年齢、性別及び住んでいる場所に関わらず、知識及び技能へアクセス できる環境が必要であることを強調する。我々は、よく訓練された人材が将来 に向けた最も重要な財産の一つであることを認識し、人材開発及び全ての人々 のための生涯学習に対する非農業部門からの知識及びインプットを奨励する。

(6)女性は農業・食品分野において重要な役割を担っている。我々は、女性がFVCsにおいて対等な貢献者及び受益者になることを妨げている障壁を取り除く道を追求する。特に、イノベーション及び技能訓練への平等なアクセスを通じて女 性の地位を向上させることは、農業・食品分野における持続可能な発展及び成 長のために重要である。

(7)我々はまた、イノベーション及び技能訓練が、農業・食品分野への新規参入者、 特に若者を引きつけるために重要であることを強調する。技能を有する人々が 起業のためのスキルを習得し、研究開発の過程により直接的に関与し、金融シ ステムや普及サービスを利用しやすくなれば、農業・食品分野における更なる イノベーションに貢献するであろうと、我々は確信する。我々は、国内外の産 学官連携により共同研究開発を奨励することの重要性を再確認する。我々は、 農業生態系リビングラボのような、実際の環境において農家、科学者及びその 他の関心のあるパートナーが農法及び技術の共同設計、監視及び評価に関する アプローチを歓迎する。

2.農業・食品分野の包摂的かつ持続可能な成長に向けた農業・食品バリューチェー ンへの着目の必要性

(8)我々は、ほとんどの国において農家の収入の主な部分は国内市場からもたらさ れていることに留意しつつ、国内での付加価値を増大させるに当たり、地元、 地域及び国際的な FVCs の重要性を強調する。FVCs の発展は、農業者及び農 業・食品分野全体の生産性及び価値を高めることに資する。我々は、家族農家 や小規模農家、女性、若者を含む全ての関係者の相互利益のために、これら関 係者がイノベーション及び知識を最大限活用できるようにすることで、各国そ れぞれの FVCs が包摂的で公正な形で発展していくことを追求する。この点に おいて、我々は国際連合の家族農業の10年について留意する。

(9)効率性及び生産性を向上させ、特に食料の損失・廃棄を削減するような持続可能な FVCsが発展することは、食料安全保障に向けた闘い、天然資源の有効活用、温室効果ガスの排出削減への貢献につながる。我々は、飢餓及び栄養不良 の削減に向け継続的に努力していくことに加え、FVCs 全体に渡る食料の損失・ 廃棄の削減に主導的役割を担うべく努力する。特に、我々は、加工、小売及び消 費段階における食料の損失・廃棄を防止するために市民社会及び民間関係者と 協力することや、収穫前後の食料損失を削減するための農法及び技術を開発途 上国と共有することを奨励する。これに関し、我々は、食料の損失・廃棄の測定 方法及び削減に係る技術プラットフォームの取組を歓迎する。さらに、我々は、 成長のための栄養(N4G)サミット 2020 の東京開催に向けた日本の取組を支持 する。我々は、付加価値及び農家の収入の向上に貢献するアグロツーリズムや 地元産品の販売促進等の取組と同様、FVCs が農村地域の再活性化にも役立つ ことを認識する。

(10)我々は、開かれた、予見可能かつ透明性のある貿易が、FVCs の確立及び効果的 な運用にとって不可欠であることを認識する。これに関し、我々は、2018 年の G20 貿易・投資大臣会合において、農業・食品グローバルバリューチェーンへ の参加支援や付加価値の向上のための、G20 による政策立案の選択肢に関する 重要な要素について議論が行われたことを歓迎する。我々はまた、農業に関係 する貿易ルールを改善するために進行中の国際的な取組を歓迎する。国際的な ルールや義務と整合しない措置は、FVCs が効率良く機能することを損なう可 能性があることに留意し、我々G20 農業大臣は、全ての国に対し、この分野に おける義務を尊重することを求める。同時に、我々は、FVCs 発展のための画一 的な戦略はないと確信する。農業・食品分野の効果的かつ持続可能な成長を達 成するためには、各国における農業の構造、生産、加工及び流通のハード及び ソフトインフラ、生産者団体に期待される役割及び消費者の購買行動を考慮す る必要がある。

(11)我々は、異常気象の増加、天然資源の劣化、病害虫の流行及び行き過ぎた価格 の乱高下に対し FVCs が強靱であることが重要と強調する。我々は、関係者の リスク管理能力を強化するため、FVCs におけるリスク評価、リスク管理及びリ スクコミュニケーションについての包括的アプローチが重要であることを再確 認する。同時に、我々は、食品市場における透明性が、農業者の収入を向上さ せ、食品価格の乱高下を和らげることを可能にすることを強調する。これに関 し、我々は農業市場情報システム(AMIS)、地球観測に関する政府間会合によ る全球農業モニタリング(GEOGLAM)、農業リスク管理プラットフォーム (PARM)の役割を支持する。

3.世界的課題に対応するための協力及び知識の交換の必要性

(12)我々は、気候変動、再び増加に転じた世界の飢餓及び生物多様性の減少等の世界的課題に直面している。我々は、農業がこれらの課題に対して脆弱である一 方、これら課題への対応に貢献できると認識する。我々は、農業大臣として、より持続可能な農業・食品分野に向けた前進を促す持続可能な開発のための世界 的枠組みとして、持続可能な開発のための 2030 アジェンダ及び持続可能な開 発目標(SDGs)を支持することを再確認する。特に、我々は、飢餓を終結し、食料安全保障及び栄養改善を達成し、持続可能な農業を推進することを狙いと する。我々は、また、気候変動の緩和及び適応における農業の役割を最大化す るよう努める。この点において、G20ハンブルク行動計画またはその他の関連 する枠組みが、ガイダンスとなる。

(13)我々は、自然災害及び異常気象は農業・食品分野にしばしば深刻な影響を及ぼ し、その持続可能性を損なう可能性があることを認識する。これらのリスクを 軽減し、リスクに備え、管理するためのこれまでの取組の重要性を認識しつつ、 我々は、農業・食品分野における全ての関係者が最適なリスク管理措置を選択 できるような効果的な政策環境が必要であることを強調する。我々は、気候変 動や革新的技術の適用を含む政策設定に対し情報を提供する科学的評価の役割 の重要性を認識し、持続可能な農業のための気候変動対応技術及び農法の導入・ 拡大そして適用の加速に向けた研究協力を強化する G20 首席農業研究者会議 (MACS)の取組を歓迎する。

(14)我々は、動植物の衛生を確保することは、農業・食品分野の成長と持続、食品安 全及び食料安全保障、生態系機能及び地球上の全ての生物の維持のための主要 な要素の一つであると認識する。我々は、国際獣疫事務局(OIE)を含む国際機 関への支援と情報共有の強化及び特にアフリカ豚コレラや高病原性鳥インフル エンザ等の越境性動物疾病に対処するための OIE 基準の実施が重要であること を再確認する。我々はまた、国連総会における 2020 国際植物防疫年の決議の採 択を歓迎し、ヨトウムシのような越境性植物病害虫に対処する研究協力を促進するMACSの取組を歓迎する。我々は、附属文書1に記述されるように、植物の健康の重要性に対する意識の向上を目指す。

(15)我々は、偏りのない多部門によるアプローチを通じて薬剤耐性(AMR)と闘う努力を継続することの重要性を重ねて主張する。我々は、フードチェーン全体 に渡り陸生及び水生動物並びに農業を含む「ワンヘルス」の国家行動計画を通 じてこの問題に取り組むことの価値を強調し、これに関し 2017 年及び 2018 年 に G20 が行ったコミットメントを想起する。我々は、Tripartite Plus (WHO、FAO、OIE 及びUNEP)、コーデックス委員会、国際植物防疫条約(IPCC)及 び総会を含めた国連関係の他の組織等の分野横断的・学際的な場において進行 中の議論に留意する。我々は、「ワンヘルス」アプローチが世界規模で効果的で あることを確保する上での農業・食品分野の役割を認識する。

(16)我々は、消費者の健康を保護するため、世界的に食品安全及び栄養を改善し促進していくに当たっての我々の役割及び責任を強調する。我々は、食品安全及び栄養に関する開発途上国のための能力構築と、この分野における協調的な取組を強化することの重要性を再確認する。

(17)我々は、責任ある農業投資の継続的推進が農業・食品分野の持続可能性の向上 に重要な役割を果たしていることを考慮する。我々は、適切な場合には、世界 食料安全保障委員会(CFS)の国家の食料安全保障の文脈における土地所有、漁業と森林に関する責任あるガバナンスのための任意ガイドラインや、CFSの農業及びフードシステムにおける責任ある投資のための原則、責任ある農業サ プライチェーンのためのOECD-FAOガイダンスを含む、国際的に受け入れら れている原則や優良事例の導入及び適用を支持する。我々は、これまでの大臣コミュニケや首脳宣言に沿って、これらの取組の促進における我々の役割を再確認する。

4. 世界的なアウトリーチ活動とストックテイクの必要性

(18)我々は、農業・食品分野における上述の課題への対応において、附属文書2にまとめられたものを含む優良事例の交換から学ぶことが重要であると認識する。 我々は、この会合で蓄積された成果と知識が、よい参考事例となり、G20 の内外の全ての関係者に寄与することを期待する。我々は、G20農業大臣によって 立ち上げられたイニシアティブのストックテイクを歓迎する。その成果は、附属文書3に記載されている。我々は、全てのG20メンバーに対し、これらイニ シアティブの継続的な活動のため、必要に応じたタイムリーかつ信頼性の高い情報を提供するとともに、AMIS のように特に必要とされる場合は、自発的な財 政貢献を含む積極的な支援を継続することを求める。

5. 未来の協力に向けて

(19) 我々は、農業・食品分野が直面している課題に対し、これまで以上に、全ての関係者が地域、国内、国際的に共同して取り組むことにより、対処しなければな らないと再確認する。我々は、農業・食品分野の将来的な繁栄及び持続可能性を目指すに当たり、産業界、市民社会、学術界、政策立案者及び国際機関を含む 全ての関係者の協力を奨励する。我々G20 農業大臣は、この会合が提供する議 論の機会を活用し、来年も議長国サウジアラビアのもとで我々の協力を続ける意思を確認する。


以上です。

なにかとどんな〈おもてなし〉が繰り広げられたかが話題になりがちで、会合の中身がいまいちわからなかったので記録用に...。

2019年10月24日木曜日

角田山麓フェスタへ

キッズダンスの様子
鯛車引き

10月20日は角田山麓フェスタがほたるの里公園で開催されました。角田山の麓一帯が一丸となって取り組む地域づくりイベントです。来賓で呼んでいただきオープニングで挨拶しました。キッズダンスチーム12団体が参加し、1日を通してダンスパフォーマンスが披露されました。現在、運行中の「にしかん観光周遊ぐる〜んバス」もそうですが、市民と行政がいっしょに取り組んで地域を盛り上げていけたらと思います。

スタッフTシャツ

長岡藩の小林虎三郎の言葉だそうです。

新潟ボイセンベリー生産組合の山賀栄一さん
ボイセンベリーのジュレを販売していた山賀さん。西蒲区松野尾でボイセンベリーの生産加工を行っています。栄養価がとても高い農作物です。パッケージもプロのデザイナーの手が入っておしゃれです。今後の生産・販売の拡大に可能性がありそうです。

スタッフのみなさま、お疲れさまでした。

ありがとうございました。

出張円盤レコード寄席「人生」at 柿の種

西蒲区巻「柿の種」

西蒲区巻のレコード屋「柿の種」で開催された「出張円盤 レコード寄席 人生編」に行ってきました。東京・高円寺のショップ「円盤」の店主・田口史人さんが各回テーマに合わせたレコードをかけながら、音楽家の人生や時世を解説するイベントです。

去年、「日本とタンゴ編」に参加して衝撃を喰らいました。タンゴが日本に入ってきた時代背景に音楽家の半生を重ねながら、レコードをかけ、語られた濃密な3時間でした。

今回は「人生編」。レコード制作の営業や音楽雑誌の立ち上げなどに携わった「赤星建彦」の半生が時代背景とともに語られました。

音楽だけでなく様々な話題が猛烈なスピードで消費されていく中、現代社会が放り投げてきた人と人のささやかな交歓を、時代の深海に素潜りしてすくいあげ、紹介してもらったようでした。

スズキヘキ 童謡

最後は、仙台の童謡作曲家・スズキヘキのレコードを紹介して締め。

終了後の店内
スペクテイター

終了後、田口さんが寄稿した『スペクテイター』を買いました。そこで田口さんが惹かれるものを以下のように書いています。

「町を活性化して外から人を呼び込もうとする人たちから伝わってくるものより、いま、目の前の人と暮らしを受け入れながら、ただの一人としてそこで生きている人たちから生まれたものに興味があります。どうしたって滲み出てしまった個人的な事情や状況、背景が魅力的に感じるものたちです」

わたしが2008年にLife-mag.創刊にいたった衝動に言葉を与えてもらったかのような、共感する箇所がほかにも多くありました。

JR巻駅

行き帰りともにJRにて。「柿の種」は巻駅から徒歩3分ほどです。

2019年10月19日土曜日

新潟中央倫理法人会「モーニングセミナー」講師

セミナー後の朝食会にて
講演の様子。20名ほどの会員の方がいらっしゃいました

新潟中央倫理法人会の「モーニングセミナー」で講師を務めさせていただきました。10月18日6:00〜、中央区紫竹の「割烹の宿 湖畔」で開催されました。

「Life-mag.編集者が見た西蒲原」と題して、地域誌の編集活動について話しました。おもに起業から創刊について、そして、西蒲原地域を取材したエピソードをお伝えしました。

拙い話で恐縮でしたが、じぶんの原点を振り返ることができて良かったです。ときどき原点や初心に立ち返りながら活動を重ねていきたいです。

7月、Noism公演を観に行った際、たまたま隣に座ったのが倫理法人会の会員のアートサロン環・横木裕子さんだったこともあり、お声がけいただきました。

会員の方はみなさん早朝からハツラツとした方ばかりで元気をもらいました。ご縁のあったみなさま、ありがとうございました。

2019年10月18日金曜日

新潟市観光循環バス新車両完成セレモニー

新車両完成セレモニー

10月18日15:00〜、新潟市観光循環バス新車両完成セレモニーが市役所本館前で行われました。新潟市の万代、古町地区を循環する観光バスの車両がイラストをまとって一新しました。

新デザインは2種類。

1台はしゅんすけさんによる「劇場版絶体絶命オクトーバーオクトパス萬代橋来襲」。もう1台は新潟市出身の漫画家・小林まことさんによる「what's Michael?」です。

しゅんすけさんの車両のコンセプトは、観光政策課が配布した当日資料によれば、

障がいのある方もない方もともにいきる「共生のまちにいがた」を目指し、「ともにプロジェクト」を立ち上げました。障がい者アートを通して、障がいのある人と社会、人と人との関係を結ぶ活動をしている「まちごと美術館cotocoto」とコラボレーションし、「共生のまちにいがた」をPRします。

とのことです。

また、セレモニーでのしゅんすけさんの挨拶は、自身が創作するアート作品を通じて、障がいへの理解を深めてもらいたいという強い覚悟がにじみでたもので、言葉の強さを感じました。

しゅんすけさんには昨年の「岩室あなぐま芸術祭」で取材させてもらったご縁があります。活躍の場を広げている姿を見られてわたしも嬉しかったです。

[記事]http://life-mag-interview.blogspot.com/2018/08/blog-post_29.html

新潟市観光循環バスは以下リンクに詳細があります。
https://www.city.niigata.lg.jp/kanko/kanko/kankobus/kankobusnitsuite.html

新車両は明日、10月19日スタートです。

しゅんすけさんの作品がプリントされた新車両
試乗会お見送り
観光循環バスマップ

新潟市パーソナル・サポート・センターへ

支援員の堀井淳さん(右)、会派と委員会がおなじ小野照子議員(左)と。
新潟市パーソナル・サポート・センター

新潟市議会は10月21日まで決算特別委員会が開かれています。わたしはこども未来部、福祉部、消防局、危機管理防災局、保健衛生部などを所管する市民厚生常任委員会の決算について審議する第3分科会に入っています。平成30年度の予算がどう使われたのか、その実績や効果はどうだったのかなどを確認しながら決算審査を行なっています。

さて本日、10月18日は議事整理日ということで、委員会は休会。個人的に勉強のため、新潟市パーソナル・サポート・センターにお邪魔してきました。生活困窮者自立支援法に基づき、新潟市から委託を受けて生活困窮者の自立支援を行っている団体です。

生活保護にいたる前の様々な課題を抱えている人に寄り添い、自立生活に向けた支援を行なっています。病気、障害、犯罪、借金、DV、離婚、自殺未遂など様々な困難を抱えている方々からの相談に応じて、支援機関を紹介したり、付き添ったりしています。

平成30年度の相談者数は588人。それに対し、相談員は6人で対応にあたっています。課題の難度や解決までの時間の長短はあるにせよ、ひとりの相談員で100件近い相談に応じていることになります。

個人情報を伏せたうえで、個別具体例も聞かせてもらいましたが、言葉を失うような状況にある人がこれだけいるのか...、と思いました。〈自己責任〉や〈個人の努力〉ではどうにもならないような状況はあると思います。

そういった状況にある方々に親身に、根気強く支援にあたっている相談員の方々にはほんとうに頭が下がる思いです。

お疲れさまです。

ありがとうございます。

平成27年の厚生労働省「国民生活基礎調査」によれば、日本の貧困率は15.6%です。これは可処分所得が年間122万円以下の世帯をいいます。

単純に新潟市の人口で割ると約12万人が相対的貧困にあることになります。経済的に困窮した状態で、さらにほかの要因が重なった場合、自分ではどうしようもなくなることもあるのではないでしょうか。

サポートセンターを運営する一般社団法人新潟県労働者福祉協議会では、シェルターの運営、路上生活者への巡回、フードバンクによる食料支援なども行っています。

新潟市では福祉部福祉総務課の管轄になりますが、引き続き現場の状況をよく見て、よく聞いて、施策に反映できるよう活動していきたいと思います。

2019年10月17日木曜日

『トランヴェール』に西蒲区が

トランヴェール
ワイン飲み歩き旅行記

JR東日本の車内誌『トランヴェール』2019年10月号に西蒲区が特集されています。

カーブドッチワイナリーとフェルミエが大きく取り上げられています。また、西蒲区鷲ノ木にある長谷川屋の4代目・長谷川陽路さんらが、ワインに合う料理を求めて県内外のお店を飲み歩いた記事もあります。内野駅近くの「Cafe&Bal Nature」や新潟駅近くの「新潟 土筆」など。

そして、現在、新潟市西蒲区の事業として運行中の「にしかん観光周遊ぐる〜んバス」の案内もしっかりと組み込まれていました。区役所担当者の熱意をあらためて感じるところです。ありがとうございます。

ぐる〜んバスも
新幹線利用の際はぜひ注目ください。