2019年10月30日水曜日

人口減少対策について意見交換

西蒲区の将来推計人口

10月29日、県議会議員の重川さんのお声がけで、西蒲区市議4名と西蒲区役所を訪ねてきました。県立青少年研修センター跡地について、人口減少対策についてなど、意見交換を行ってきました。

西蒲区の人口減少率、高齢化率は新潟市8区のうちトップです。

西蒲区健康福祉課の統計(上の画像)によれば、西蒲区の人口は2015年に約58,000人だったのが、30年後の2045年には約39,000人まで減少する推計となっています。その時の高齢化率は47.5%。15〜64歳の生産年齢人口は約34,000人だったのが約17,000人へと半減します。

猛烈な〈勢い〉で超高齢化と人口減少が進んでいることがわかります。

すこし遡ってみると、1603年、江戸幕府成立時は約1,200万人。1868年、明治維新の頃の日本の人口は約3,300万人。1945年、敗戦直後は約7,200万人でした。その後も戦後一貫して日本の人口は急激に伸びてきました。それが2008年の約1億2,800万人をピークに、2011年からは明らかな人口減少局面に入りました。

この少子高齢化による人口減少は突然にはじまったものではなく、産業構造や家族構成などさまざまな要因から30年、40年かけて社会が用意したものではないでしょうか。多角的な施策によって減少を遅らせることはもちろん重要だと思いますが、一方でこの〈勢い〉を止めるのは容易ではない、とも思います。

時代の潮目に立ち会っているわたしたちに問われているのは、これから起こる変化と混乱をどう軟着陸させるか、次にどんな社会を用意するのか、のように感じます。

その日、わたしが意見できたことは以下のふたつです。

行政の文章でよく「安心して暮らせる社会へ」という言葉を見ますが、わたしはそれを言い換えて「安心して死に向き合える社会へ」と言ってみたいです。

それは、適切な医療・介護のサービスを受けられること、行政の福祉制度がきちんと周知・利用されていること、という身体的な側面。本市独自の取り組みである「地域の茶の間」事業をはじめ地域コミュニティが保たれ、地域包括ケアシステムがしっかりと機能している西蒲区、また新潟市であってほしいと思います。

それから精神的な側面になりますが、各集落ごとに点在するお寺、住職への期待です。葬式や法事だけでなく、お寺が地域住民に開かれた場所になって、そこで〈死〉について考える機会があるといいなと思います。宗教の役割の大きなもののひとつは、死についてどう向き合うか、それをいっしょに考えてくれる、よすがとなることだと思います。

医療・介護といったケアの身体的側面からの安心、そして伝統的な宗教による精神的側面からの安心があるといいなと思います。

もうひとつは教育です。

小学校、中学校、そして高校などで西蒲区ならではの歴史、文化、自然、産業について学ぶ時間を増やすこと、充実させることを求めたいです。それは西蒲区で生まれ育った子どもたちがなんらかのかたちで地域の特性を知り、郷土への愛着を持ってもらうことで、将来、この街で働いてみたい、戻ってきたいと思ってもらう、クサビを打ち込みたいからです。

じぶんの好奇心の方が大きかったですが、Life-mag.の仕事もごくごく微力ですがそういった仕事に近かったかもしれません。

いまから26年後の2045年、わたしは62歳になっています。その時にどんな立場になっているかはわかりませんが、引き続き、地域をよく歩きながら、西蒲区、そして新潟市のよりよい未来をつくっていけるよう活動を重ねていきたいです。

300人以上の集落分布図

西蒲区の人口分布を把握する参考に。