2021年11月18日木曜日

ゆいぽーと 河村啓生AIR成果展『落花帰根/「新潟農園」の夢』

作家の河村啓生さん

展示の様子。壁面のパネルもよく調べてあって面白かったです

新潟市芸術創造村・国際青少年センターゆいぽーとで開催中の河村啓生AIR成果展『落花帰根/「新潟農園」の夢』をみてきました。作家がゆいぽーとに長期滞在しながら作品制作を行うアーティストインレジデンスです。

今回、河村さんは戦前、東区山の下地区にあった「新潟農園」に着目。当時の様子を調べ、わかったことから着想して作品を制作しました。

新潟農園は昭和7年開業の大型農園で、チューリップの生産・研究・観光をひとつに集めた施設でしたが、昭和16年の開戦を控え、閉園となりました。現在の新潟火力発電所付近がその場所だそうです。

河村さんの解説によれば、チューリップは幕末にフランスから球根が持ち込まれたことがはじまりです。新潟では明治末頃から栽培がはじまり、商用として普及するのは大正時代。その後、海外輸出のための生産体制を築くための中核施設として新潟農園が設立されました。新潟のチューリップ生産者と財界人によって創業、開発された新潟農園は「東洋一の花園」とも呼ばれ大変な賑わいをみせたそうです。

新潟大学の地域映像アーカイブに残っていた新潟芸妓による「新潟をどり」も作品に投写されていました。

新潟の花卉園芸史とアート作品制作をかけ合わせたとても興味深い取り組みだと感じました。展示は11月23日まで。

ゆいぽーと : https://www.yui-port.com