2021年11月16日火曜日

没後80年夭逝の画家金子孝信と遺作の全て

展示会フライヤー
会場で販売しているポストカード。「秋の野の夕暮れ」(1936)


新潟市潟東樋口記念美術館で「没後80年夭逝の画家金子孝信と遺作の全て」が開催されています。会期がはじまってしばらく経つのですがようやく今日、見に行けました。

金子は、大正4年(1915)9月、中央区の蒲原神社の三男として生まれました。東京美術学校(現・東京藝術大学)を主席で卒業し、将来を嘱望されていましたが、昭和17年(1942)5月、中国にて戦死しています。享年26歳でした。

今回の展示会では、遺作のすべてを展示するだけでなく、画家の一生と時代背景も捉えた構成になっていて見応えがありました。

東京の街角を描いた絵も多くありましたが、フライヤーにも使われている「子守り」やポストカードになっている「秋の野の夕暮れ」など、田園地域の中にみる美しさを切り取った絵もありました。

同館にたどり着くまで、晩秋の越後平野の真ん中を車を走らせながら向かうのもまた金子の絵の世界とひとつづきになっているような気がしました。金子が切り取った田園地域の暮らしの美しさは現代もまだあるのかどうか、帰路に着く車内で考えていました。