2019年8月23日金曜日

石瀬盆踊りへ

石瀬公会堂前にて
べつ角度から
岩室公民館長・松本さんの挨拶

2019年8月11日、西蒲区石瀬地区の盆踊りに行ってきました。とくべつ案内があったわけではないので、家族でふらっと行き、面識のある方に挨拶し、出店のわたあめなどをいただいて帰ってきました。新潟市の南西部、弥彦村との境目のちいさな集落ですが、子どもたちも大勢参加してすごく雰囲気のいい盆踊りでした。

その時、盆踊りの歌詞が気になったので、後日、公民館に行って、歌詞カードをコピーさせてもらってきました。以下に打ち起こして、記録、紹介します。

『石瀬盆踊り唄』
[1]
イーイヤーアア
石瀬山から雪どけ水が湧いて出る
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
おらが村中の豊年万作早苗水
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
大滝 小滝 漆沢に銀沢よ
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
岡田だんぼの穂に穂が咲く出穂の水
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
村のはずれのお杉とお松てべ
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
二人仲良く上方参りをしたそうな
アーヨシタヤヨシタヤー

[2]
イーイヤーアア
石瀬名物田中屋のシンコだんご
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
やひこ参りの旅のお客で繁盛した
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
越後四ヶ寺の種月寺様は
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
春はさくらに秋は紅葉がきれいだね
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
村のはずれの種月寺のたんぼ
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
米もとれたし イヤホンニィー お湯も出た
アーヨシタヤヨシタヤー

[3]
イーイヤーアア
石瀬山から湧き出ずる水わいや
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
薬師如来の イヤホンニィー 五香の水
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
薬師如来の春秋のお祭りで
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
雨も降らぬにイビやドジョウが杖を頼りによくのぼる
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
石瀬名物薬師如来のお祭りで
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
醤油煮付けの三角コンニャクがうまかった
アーヨシタヤヨシタヤー

[4]
イーイヤーアア
鐘が鳴るなる浄専寺の鐘が
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
あれは石瀬の イヤホンニィー 時の鐘
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
石瀬峠は真っ赤な夕日で陽が暮れる
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
村の子どもは日暮れ忘れて カゴメカゴメのかくれんぼ
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
昔や朝ナベ ワラたたきをしたもんだ
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
夜は夜ナベで ゾーリワラジを編むという
アーヨシタヤヨシタヤー

[5]
イーイヤーアア
石瀬峠を浜のスケゴが通うもんだ
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
今じゃ自動車でサバやイワシおいてゆく
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
だいろだいろ 角出せだいろ
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
角を出さずに イヤホンニィー お湯を出す
アーヨシタヤヨシタヤー

イーイヤーアア
恋しなつかし我が出た里は
アーヨシタヤヨシタヤー

イヤサイーイイ
朝の煙も イヤホンニィー 懐かしや
アーヨシタヤヨシタヤー

以上です。
石瀬の三富堅達さん(昭和6年生まれ)の書き起こしをもとにしています。唄う人や年代によって歌詞は何パターンもあるそうです。

3分弱の映像も撮ってきたので以下に。



盆踊りや民謡はときにその土地に暮らすの人びとの心の拠り所となり、祖先とわたしたちを結ぶものだと思います。こうした歌詞に土地の風土を感じ取ることができ、興味が尽きません。

また、石瀬は山岳仏教の聖地という歴史背景もあります。さらに小林家の初代・玄順の娘・ナカが石瀬の棚橋家に嫁に行っているというご縁もあります(江戸後期の話ですが...)

上記の歌詞を解説したり、それに関連して石瀬地区を取材しただけでもひとつの特集記事ができそうです。漫画『マスター・キートン』15巻で、主人公のキートンが、わらべ歌の歌詞から問題を暴いたことを思い出します。編集者の目線に立つといろいろと取材できそうですが、当分はそういった時間はとれそうにありません。

いつかの日のためにここに種を採集して記録しておきます。

引き続き地域をよく歩いていきたいです。

石瀬のみなさま、ありがとうございました。