2019年8月23日金曜日

学習会&意見交換会「防ごう 子どもの虐待 守ろう 子どものいのち」

学習会&意見交換会「防ごう 子どもの虐待 守ろう 子どものいのち」

8月23日13:30〜、学習会&意見交換会「防ごう 子どもの虐待 守ろう 子どものいのち」が新潟県女性センター(新潟ユニゾンプラザ)にて開催されました。「新潟市の虐待防止対策について」を新潟市こども未来部こども政策課虐待対策グループ主査の大井幸江さんから、「改正児童虐待防止法のポイントや新潟市児童相談所の取組について」を新潟市児童相談所の弁護士の飯田隼矢さんから、講演いただくという2部構成2時間強の勉強会でした。

はじめに大井さんから市の取り組みの説明がありました。

新潟市の児童虐待件数は、平成30年度が753件(速報値)だそうです。平成19年度から約1.7倍となっています。うち0〜2歳児をみると66件(H19)が139件(H30)となって約2倍となっています。

虐待件数の増加とともに子どもが産まれてから早い段階での虐待が増えています。なるべく早い段階での支援、察知が必要といえるかもしれません。

市では「新潟市要保護児童対策地域協議会」というものが設置されており、「個別ケース検討会議」(区役所)→「実務者会議」(区役所)→「区連絡会議」(区役所)→「代表者会議」(市)といった段階で個々の相談・案件に対応しているそうです。

また、児童虐待防止への啓発活動として市が行なっている「オレンジリボン運動」についての紹介もありました。

次に飯田さんからは、本年6月に改正された「児童虐待防止法」についての解説がありました。児童の権利擁護の強化、児童相談所の体制強化、関係機関同士の連携強化などが、盛り込まれたそうです。

また、児童相談所で対応した虐待の実例をもとにしたフィクション、ということで、子どもの保護から里親委託へと至った過程を説明いただきました。

昨年5月の時点で全国には211ヶ所の児童相談所があり、常勤職員として弁護士を配置しているのは、7ヶ所(全体の3.3%)です。他市町村は非常勤や委託契約がほとんどです。新潟市の児童相談所には現在3名の弁護士がいるとのことで、全国的にも先進的な体制をとっています。

兵庫県明石市も同じく弁護士の配置を先駆けて始めたそうで、篠田市長が明石市の市長の取り組みに共感して政策として取り入れたそうです(会終了後、飯田さんに聞きました)。飯田さんは平成27年に東京から新潟市にIターンで就職しています。

虐待への対応、支援過程において、法律の専門家がいることはたいへんに重要かと思います。ただ、相談件数は増加傾向にあり、次から次へと寄せられる相談に、忙しい毎日だそうです。

最後に質問の時間があったので、わたしもひとつだけ質問しました。

近所や地域で虐待かもしれないといった場面に遭遇した時、わたしたちには通告の義務があります児童虐待の防止等に関する法律第6条。相談窓口として「区役所健康福祉課」や「新潟市児童相談所」とありますが、実際にわたしたちが通報、相談した場合、どんなことを聞かれて、対象の家にどのようにアプローチするのですか? と伺いました。

まず、虐待と思われる様子はいつからか、頻度は、時間帯は、どんな音がするか、家のどの部屋から聞こえてくるか、大人の声か子どもの声かなどの情報を聞かれるそうです。もちろんわかる範囲で。

そして、通告したからといって、すぐに担当職員がその家に行くことはないそうです。新生児・乳幼児であれば市の検診時にかわった様子はなかったか、保健所や保健師と連携しながら情報を集めます。また、保育園や小学校に通っている子どもであれば、まずは先生に様子を問い合わせてみるそうです。

その結果、訪問することになっても、保健師などが「たまたま近くを通ったから寄ってみました」と言い、はじめから疑いの目で訪問することはなるべく避けてアプローチするそうです。

明らかに身体・生命に危険が及んでいる場合はまた違った対応になると思いますが、通告する方も「もしかしたら虐待...??」といった段階の場合、相談したらどうなるのか不安だったので。もちろん通告する人の個人情報も固く守られるそうです。

他にも様々な内容を聞かせてもらいましたが、まずはこの辺で。

飯田さんの話のなかで加害者である親を責めるだけでなく、親への教育も必要だとの指摘がありました。わたしも子育て8年目で、親になって8年ということになります。いきなり父親になれたわけではなく、いまだに試行錯誤しながら少しずつ親としても成長させてもらっている気がします。

社会の希望である子どもたちが健やかに育っていける新潟市となるよう、これからも少しずつ勉強して、働きかけていきたいと思います。

講師の大井さん、飯田さん、主催者のにいがた女性会議さん、ありがとうございました。


[補足]
新潟市議会少子高齢化対策議員連盟と新潟市議会男女共同参画推進議員連盟に入っている議員向けに案内がきたので、参加しました。